TOEIC 450点から795点まで。留学と独学で実際にやったこと全部
TOEIC の勉強法はいくらでも検索できるのに、いざ自分でやろうとすると「で、結局なにを何冊、どういう順番でやればいいの?」がわからない。僕がまさにそうでした。この記事では、大学1年のIPテストで450点だった僕が、帰国後の受験で795点を取るまでに実際にやったことを、使った教材とつまずいた場所ごと全部書きます。きれいな成功談ではなく、遠回りも含めた実際の記録です。
スコアの推移
| 時期 | 受験 | スコア | そのときの状態 |
|---|---|---|---|
| 大学1年 | IPテスト | 450 | 対策ほぼゼロ。時間が全然足りない |
| 大学1年 | 公開テスト(会場) | 540 | 形式に慣れただけで90点上がった |
| 大学2年 | オーストラリアに4か月留学 | — | 現地で話す+空き時間に1日2時間のTOEIC対策 |
| 帰国後 | 公開テスト(会場) | 795 | Part5がまだ重い。ここで止まって現在に至る |
最初の450から540への90点は、正直に言うと実力が上がったというより「テストに慣れた」だけです。IPテストのときはどこで何分使うのかも知らずに受けていて、Part7に入る前に時間が溶けていました。この時点で言えるのは、1回目のスコアは自分の英語力より低く出るということです。形式を知らないだけで数十点は損をします。逆に言えば、ここは勉強しなくても取り返せる部分なので、落ち込む必要はありません。
450点だった頃、何ができていなかったか
点数だけ見ても再現できないので、当時の中身を書きます。
- 文法が弱い。これが一番大きかった(やり直しの範囲はこちらにまとめました)。中学・高校でなんとなく通り過ぎた文法が、Part5で全部聞かれる。選択肢を見て「なんとなくこれっぽい」で選んでいました
- Part5に時間を使いすぎる。1問に1分近くかけて、悩んだ末に間違える。そしてPart7の後半が塗り絵になる
- リスニングが「音として」入ってこない。単語は知っているのに、流れると聞き取れない。読めば分かる文が、聞くと分からない
- 単語を知らない。TOEICに繰り返し出る語彙(invoice、agenda、reimburse のような)を、そもそも見たことがなかった。覚え方は別記事にまとめています
この4つのうち、留学で勝手に解決したのは3つ目だけでした。あとの3つは日本にいても留学先にいても、机に向かって潰すしかありませんでした。
使った教材は4冊だけ
あれこれ手を出さなかったのは、単にお金がなかったからです。でも結果的にはこれで良かったと思っています。
| 教材 | 役割 | やり方 |
|---|---|---|
| 金のフレーズ | 語彙 | 移動中・スキマ時間に繰り返す |
| でる1000問 | 文法・Part5 | 1周+間違えた問題だけもう1周 |
| 公式問題集 Vol.10 | 本番形式・リスニング | 解いたあと徹底的に聞き直す |
| 公式問題集 Vol.11 | 本番形式・リスニング | 同上 |
金のフレーズ(語彙)
TOEICは出る単語がはっきり偏っています。ビジネス寄りの語彙が繰り返し出るので、その範囲を先に押さえると、リーディングもリスニングも同時に楽になります。逆に言えば、汎用の英単語帳を最初からやると遠回りです。
やり方はシンプルで、移動中や空き時間に何度も通す。1回で覚えようとしないで、忘れる前提で回数を増やす。ここは机に座らなくてもできるので、勉強時間の枠を使わずに済みます。
でる1000問(文法・Part5)
僕の弱点そのものだったので、ここが一番の投資でした。詳しいやり方は次の章に書きます。問題の見分け方と練習問題はPart5の攻略記事にまとめました。
公式問題集 Vol.10 / Vol.11(本番形式)
公式問題集は音声とナレーターが本番と同じなのが最大の価値です。他の問題集で慣れても、本番の速度と声質は再現できません。僕はこの2冊を、解く教材というよりリスニングの素材として繰り返し使いました。
Part5:1問20秒でタイマーをかけて殴る
文法が弱い自覚があったので、でる1000問を使いました。やったのはこれだけです。
- 全問を1周する
- 間違えた問題だけをもう1周する
- 解くときは1問20秒でタイマーをセットする
この「1問20秒」が、僕にとっては一番効きました。
TOEICのリーディングは75分で100問。Part5(30問)とPart6(16問)を素早く終えて、Part7(54問)に時間を残すのが基本的な組み立てです。Part5に1問20秒なら30問で10分。ここを守れれば、Part7の最後まで到達できます。
ただ、タイマーの効果は時間管理だけではありませんでした。20秒しかないと、悩めないんです。悩めないから、「なんとなく」で選ぶのではなく「この空欄は品詞を聞かれている」「これは動詞の形の問題だ」と問題のタイプを一瞬で判断する癖がつく。逆にタイプが分からない問題は、20秒経った時点で自分の知識に穴があるとはっきり分かります。
Part5の問題は、ざっくり次のどれかです。ここを見分けられると、読まずに解ける問題が一気に増えます。
| タイプ | 見分け方 | やること |
|---|---|---|
| 品詞問題 | 選択肢が -tion / -ive / -ly など同じ語の変化形 | 空欄の前後だけ見て品詞を決める。文の意味は読まなくていい |
| 動詞の形 | 選択肢が時制や態の違い | 主語と、文中の時を表す語を探す |
| 前置詞・接続詞 | 選択肢が in / for / although / because など | 後ろが名詞か文かを見る |
| 語彙問題 | 選択肢が全部違う単語 | 知らなければ即座に捨てて次へ |
語彙問題は知っているか知らないかだけなので、20秒粘っても出てきません。ここで潔く切れるようになったのが、結果的に一番時間を生みました。
反省点も書いておくと、僕は「1周+間違えた分1周」で止めています。文法の定着という意味では、これは決して多い回数ではありません。795点でPart5がまだ重いのは、たぶんここが足りていないからです。
リスニング:最初はディクテーション、あとは公式問題集の反復
リスニングは最初、何をしても伸びる気がしませんでした。聞く→分からない→スクリプトを見る→「知ってる単語じゃん」となる、の繰り返し。
そこで最初の時期にディクテーションをやりました。音声を止めながら、聞こえた通りに書き取る。これがきつくて、地味で、効きました。
ディクテーションをやると、自分が聞き取れていない理由が「単語を知らないから」ではないことがはっきりします。実際に落としていたのはこういう部分でした。
- 音がつながる(check it out → チェキラウ のように。音の変化の詳細)
- 音が消える(語尾の t や d がほとんど鳴らない)
- 弱く読まれる語(前置詞、冠詞、代名詞は本当に小さい)
知識としては知っていても、書き取ると自分がどこを落としているのかが物理的に見える。そこが変わりました。
ディクテーションは時間がかかるので、ずっとは続けていません。耳が慣れてきてからは、公式問題集をひたすら繰り返すやり方に切り替えました。
- まず本番と同じように解く
- 答え合わせをして、間違えた問題のスクリプトを読む
- スクリプトを見ずにもう一度聞いて、全部聞き取れるまで繰り返す
ポイントは3つ目です。1回解いて終わりにすると、教材は一瞬で尽きます。同じ音声を「聞き取れるようになるまで」聞くと、1冊が何十時間分にもなる。新しい問題集を買うより、手元の音声を何度も聞くほうが圧倒的にコスパが良かったです。
留学の4か月で、実際にやっていたこと
留学すれば英語ができるようになる、という話は半分だけ本当でした。
現地で生活していると、話す機会は当然増えます。買い物でも授業でも、英語を使わないと何も進まない。この環境で伸びたのは、聞くことへの抵抗のなさと知っている表現を口に出す速さでした。英語が「勉強の対象」から「使う道具」に変わる感覚は、確かに留学でしか得にくいと思います。
ただ、それだけではTOEICのスコアは動きません。留学中でも、僕は空き時間に1日2時間ほどTOEICの教材をやっていました。金フレを回して、でる1000を解いて、公式問題集を聞く。やっていることは日本にいたときと変わりません。
4か月の留学で分かったのは、留学と教材はこう分業しているということでした。
| 留学で伸びたもの | 教材でしか伸びなかったもの | |
|---|---|---|
| リスニング | 英語の速度に慣れる/聞くことへの抵抗が消える | TOEIC特有の設問形式・先読みの処理 |
| リーディング | — | Part5の文法、Part7を読み切るスピード |
| 語彙 | 日常会話の言い回し | TOEICのビジネス語彙(invoice、agenda など) |
つまり、スコアに直結する部分の多くは、留学していてもいなくても机の上で作るしかない。逆に言えば、留学に行けない人が絶望する必要はまったくない、というのが正直な実感です。
留学なしで、この過程を再現するなら
もし僕が留学せずに同じ点を目指すなら、こう組むと思います。
- 語彙:金フレを移動時間に。机の時間を使わない
- 文法:でる1000を1問20秒のタイマーで。1周では足りないので、間違えた問題は2周・3周する
- リスニング:最初の2〜3週間はディクテーション。そのあとは公式問題集を「聞き取れるまで」繰り返す
- 形式慣れ:本番と同じ2時間通しを、受験前に最低1回はやる。ここを省くと、後半で集中力が切れて本来の点が出ない
- 英語に触れる時間:留学の代わりになるのは、量です。海外ドラマでもポッドキャストでも、英語が耳に入っている時間を毎日確保する(素材の選び方と回し方)
特別なことは何もありません。ただ、教材を増やすより、同じ教材を繰り返すほうが伸びたというのは、はっきり言えることです。
795点で見えた壁
ここまで書いておいて申し訳ないのですが、僕はまだ900点に届いていません。795で止まっていて、その原因も自分でだいたい分かっています。
- Part5がまだ重い。文法の穴が完全には埋まっていない。でる1000を1周+間違い1周で止めたツケです
- 読む速度が足りない。Part7の後半は、内容が難しいというより単純に読み切れない
- 語彙が795点のレベルで止まっている。金フレの範囲は押さえたものの、そこから先に手を伸ばせていない
EigoNoteを作ったのは、この3つ目がきっかけです。覚えたはずの単語が、1週間後にはきれいに消えている。ノートに書いても、書いたきり見返さない。「覚える」より「忘れない」ほうがずっと難しいと気づいて、忘れるタイミングで自動的にもう一度出してくれる仕組みが欲しくなりました。
まとめ
- 1回目のスコアは実力より低く出る。形式に慣れるだけで数十点は戻る
- 教材は4冊で足りた。増やすより繰り返すほうが効いた
- Part5は1問20秒のタイマー。悩めない状況を作ると、問題のタイプを判断する癖がつく
- リスニングは最初にディクテーション、そのあとは同じ音声を聞き取れるまで反復
- 留学で伸びるのは「英語への抵抗」。スコアに効く部分は結局、机の上で作る
450点だったときの自分に一言だけ渡せるなら、「教材を探している時間で1周目を終わらせろ」と言うと思います。