英文法やり直しガイド:中学英語の骨組みと、日本人がつまずく5項目
英文法をやり直したい。でも分厚い文法書を開くと、最初の「文型」で止まる。僕自身文法が弱くて TOEIC の Part5 が一番の鬼門でした。この記事では、やり直しに必要な範囲を中学英語の骨組み+日本人がつまずく5項目に絞って、順番に整理します。
やり直しは中学英語からで大丈夫
「高校でやったはずのことが分からない」と感じている人ほど、実は中学範囲の理解が曖昧なことが多いです。
理由は単純で、英文法は積み上げだからです。時制が曖昧なまま現在完了に進むと、現在完了は「なんとなく過去っぽいやつ」になる。前置詞のイメージが持てないまま関係代名詞に進むと、修飾関係が見えなくなる。
そして実務的な話をすると、TOEIC の Part5 で問われる文法の大半は中学〜高校前半の範囲です(出題タイプの分け方)。難しい構文を知らないから解けないのではなく、基礎の判断が速くないから解けない。だから戻るのは恥ずかしいことではなく、最短ルートです。
最低限おさえる骨組み
| 項目 | なぜ必要か |
|---|---|
| 品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞) | Part5 の品詞問題はここだけで解ける |
| 文の要素(主語・動詞・目的語・補語) | 空欄に何が入るかを判断する土台 |
| 時制(現在・過去・未来・進行形) | 動詞の形の問題の前提 |
| 能動態と受動態 | 「する側か、される側か」の判断 |
| 不定詞と動名詞 | 動詞のうしろに何が続くかの判断 |
この5つが揺らがなければ、次に挙げる「つまずきポイント」に進んで大丈夫です。
① 現在完了:過去形との違いは「今とつながっているか」
現在完了 have / has + 過去分詞 が分かりにくいのは、日本語に対応する形がないからです。
いちばん大事なのは、現在完了は「今」の話をしているということです。過去形は過去のある一点の話で、今とは切り離されています。
| 文 | 意味 | 今どうなっているか |
|---|---|---|
| I lost my key. | 鍵をなくした(過去形) | 今見つかっているかは不明 |
| I have lost my key. | 鍵をなくしてしまった(現在完了) | 今も見つかっていない |
3つの使われ方
| 用法 | 意味 | 例 | よく一緒に使う語 |
|---|---|---|---|
| 完了・結果 | 〜してしまった(今その状態) | He has just finished the report. | just, already, yet |
| 経験 | 〜したことがある | I have visited Osaka twice. | ever, never, once, twice |
| 継続 | ずっと〜している | She has worked here for five years. | for, since |
過去を示す語とは一緒に使えない
これが試験でよく狙われます。yesterday / last year / in 2020 / three days ago のような「過去の一点」を示す語は、現在完了と共存できません。
- × I have finished it yesterday.
- ○ I finished it yesterday.
- ○ I have already finished it.
逆に since(〜以来) があれば、ほぼ現在完了です。since は起点を示すので、そこから今まで続いていることになるからです。
② 冠詞 a / an / the:相手が特定できるかどうか
冠詞は日本語にない概念なので、感覚で選ぼうとすると一生安定しません。判断基準はひとつだけです。
聞き手が「どれのことか」を特定できるなら the、できないなら a / an。
| 文 | なぜその冠詞か |
|---|---|
| I bought a book yesterday. | 相手はまだどの本か知らない。初登場 |
| The book was very interesting. | さっき言った本のこと。もう特定できる |
| Please close the door. | その場にあるドアは1つ。言わなくても分かる |
| The sun rises in the east. | 世界に1つしかない |
無冠詞になるとき
- 数えられない名詞:information, advice, furniture, equipment(これらは複数形にもなりません)。こういう語法は例文ごと覚えると早い
- 複数形で「一般的に」を表すとき:Dogs are loyal animals.
- 建物を本来の目的で使うとき:go to school(勉強しに行く)/go to the school(建物に行く)
- 食事・交通手段など:have lunch, by train, at night
TOEIC で狙われるのは数えられない名詞です。informations や advices は存在しません。an information ではなく a piece of information と言います。
③ 前置詞 in / on / at:イメージの大きさで決まる
前置詞は暗記だと破綻します。コアイメージで押さえると、時間も場所も同じ理屈で説明できます。
| コアイメージ | 時間 | 場所 | |
|---|---|---|---|
| at | 点 | at 7:00, at noon | at the station, at the corner |
| on | 接している面・線 | on Monday, on July 4 | on the desk, on the wall |
| in | 囲まれた空間 | in May, in 2026, in the morning | in Tokyo, in the box |
時間は「点 → 日 → 期間」で at → on → inと広がっていくと考えると整理できます。場所も同じで、点 → 面 → 空間です。
間違えやすい組み合わせ
| 意味 | 正しい形 | 注意 |
|---|---|---|
| 〜までに(期限) | by Friday | until は「〜まで続く」。期限は by |
| 〜のあいだ(期間) | during the meeting | うしろは名詞。文が続くなら while |
| 〜の間ずっと(長さ) | for three hours | 数字+時間の長さは for |
| 〜以来 | since 2020 | 起点。現在完了とセットで使われる |
④ 助動詞:話し手の気持ちが乗っている
助動詞は「動詞を助ける」というより、その文に話し手の判断や態度を足すものです。同じ事実でも、どの助動詞を使うかで意味が変わります。
| 助動詞 | 基本の意味 | 強さ・ニュアンス |
|---|---|---|
| must | 〜しなければならない/〜にちがいない | 最も強い。義務も推量も強い |
| have to | 〜しなければならない | 外側の事情による義務。must より客観的 |
| should | 〜すべき/〜のはずだ | 助言。must より柔らかい |
| may | 〜してもよい/〜かもしれない | 許可・50%程度の推量 |
| might | 〜かもしれない | may より可能性が低い |
| can | 〜できる/〜してもよい | 能力・カジュアルな許可 |
| could | 〜できた/〜かもしれない | 過去の能力・丁寧な依頼 |
否定にすると意味が大きく変わる
- must not = 〜してはいけない(禁止)
- don't have to = 〜しなくてもよい(不要)
この2つは日本語だと似て見えますが、正反対です。You must not go.(行ってはいけない)と You don't have to go.(行かなくていい)を混同すると、意味が真逆になります。
⑤ 関係代名詞:2つの文を合体させる装置
関係代名詞は、2つの文をつなぐための道具だと考えると一気に分かります。
たとえばこの2文。
- I know a man.
- He works at the bank.
He は a man のことなので、He を who に変えてくっつけます。
I know a man who works at the bank.(銀行で働いている男性を知っている)
使い分けは2つの軸だけ
| 人 | 物・こと | |
|---|---|---|
| 主語の代わり | who | which |
| 目的語の代わり | who(m) | which |
| どちらでも使える | that | |
判断の手順はこうです。
- 関係代名詞が指すのは人か、物か
- くっつけたあとの文で、それは主語か、目的語か
見分け方のコツは、関係代名詞のうしろに主語があるかどうかです。うしろがいきなり動詞なら主格(who / which)、うしろに主語+動詞が続くなら目的格です。
目的格は省略できる
The book (which) I bought yesterday was expensive. の which は省略できます。読んでいて「名詞のあとにいきなり主語+動詞が来た」と感じたら、関係代名詞が省略されていると考えてください。長文で構造を見失う原因の多くがこれです。
文法のやり直しをどう進めるか
最後に、進め方の話をします。
- 文法書を通読しない。最初から順に読むと、必ず途中で止まります。上に挙げた項目のうち、自分が説明できないものだけ読む
- 問題を解いてから戻る。問題集を先にやって、間違えた項目だけ文法書で確認するほうが速い。何が分かっていないかが自分で分かるからです
- 説明できるかで確認する。「なんとなく分かった」は分かっていません。なぜ他の選択肢がダメなのかを言葉にできるかどうかが基準です
- 1周で終わらせない。ここは自分の反省でもあります。僕は問題集を1周+間違えた分1周で止めてしまい、795点になった今でも Part5 が重いままです(その経緯)
まとめ
- やり直しは中学英語の骨組みから。品詞・文の要素・時制・態・不定詞と動名詞
- 現在完了は今とつながっているか。過去を示す語とは共存できない
- 冠詞は聞き手が特定できるかどうか。数えられない名詞に注意
- 前置詞は点・面・空間のイメージで、時間も場所も同じ理屈
- 助動詞は話し手の気持ちの強さ。must not と don't have to は正反対
- 関係代名詞は2文の合体。うしろに主語があるかで主格か目的格かを判断する
- 文法書は通読せず、間違えた項目だけ戻る