英会話で話せるようになるまで:単語の羅列から抜けて、止まらずに話す
読めるのに話せない。この状態には、はっきりした原因があります。知識が足りないのではなく、知識を口から出す経路ができていないのです。この記事では、単語の羅列から文にするところから、基本動詞の使い回し、場面別フレーズ、緊張への対処まで、話せるようになるまでの道筋を順にまとめます。
まず「単語の羅列」を卒業する
話そうとして出てくるのが「I... yesterday... movie...」のような単語の羅列になる。これは語彙の問題ではありません。文を組み立てる順番が体に入っていないだけです。
ステップ1:主語と動詞を必ずセットにする
英語は誰が+どうするで始まります。日本語は主語を省けますが、英語では省けません。
| 言いたいこと | 羅列 | 主語+動詞にする |
|---|---|---|
| 昨日映画を見た | yesterday... movie | I watched a movie yesterday. |
| ここ寒いね | cold... | It is cold in here. |
| 電車が遅れてる | train... late | The train is delayed. |
まず主語と動詞だけの短い文を作る。そのあとに情報を足す。この順番を守るだけで、伝わり方が変わります。
ステップ2:一文を短くする
日本語で考えてから訳そうとすると、必ず長く複雑な文になります。日本語の「昨日友達と行った映画がすごく面白くて、また見たいと思った」を一文で訳そうとすると詰まります。
分割します。
- I watched a movie yesterday.
- I went with my friend.
- It was really interesting.
- I want to watch it again.
短い文を4つ並べるほうが、長い文を1つ作るより速くて伝わります。会話では文の美しさより、止まらないことのほうが重要です。
ステップ3:知っている言葉で言い換える
単語が出てこないとき、そこで止まらずに知っている言葉で説明する力を「言い換え力」と言います。これが会話では決定的です。
| 言いたい語 | 出てこないとき |
|---|---|
| refrigerator(冷蔵庫) | the machine that keeps food cold |
| reservation(予約) | I called the restaurant before I went |
| humid(蒸し暑い) | it's hot and there's a lot of water in the air |
これは練習できます。日本語で単語を1つ選び、その単語を使わずに英語で説明する。1日3語でも続けると、会話で詰まる頻度が明確に下がります。
基本動詞を使い回す
難しい単語を覚えるより、get / take / make / have / go / come のような基本動詞を使いこなすほうが、会話では効きます。ネイティブの日常会話の大半は、この数十語で回っています。コアイメージで覚える方法も参考にしてください。
| 動詞 | コアイメージ | 使い回しの例 |
|---|---|---|
| get | 手に入れる・状態が変わる | get a ticket(買う)/get tired(疲れる)/get home(着く) |
| take | 取って自分のところへ持ってくる | take a taxi(乗る)/take a picture(撮る)/take time(時間がかかる) |
| make | 形のないものを作り出す | make a decision(決める)/make a mistake(間違える)/make friends |
| have | 自分の領域に持っている | have lunch(食べる)/have a cold(風邪をひいている)/have a meeting |
| go | 話し手から離れていく | go shopping/go wrong(うまくいかない) |
| come | 話し手のほうへ近づく | come along(一緒に来る)/come true(実現する) |
ポイントは、訳語で覚えないことです。get を「得る」と覚えていると get tired が理解できません。「状態が変わる」というイメージで持っていれば、初めて見る組み合わせでも意味を推測できます。
場面別の定番フレーズ
会話には型があります。よく使う場面のフレーズを丸ごと持っておくと、その場で組み立てる必要がなくなり、余裕が生まれます。
あいさつ・自己紹介
- Nice to meet you. — はじめまして
- How's it going? — 調子どう?(カジュアル)
- I'm a college student, majoring in international studies. — 大学生で国際学を専攻しています
- I've been studying English for about two years. — 2年ほど英語を勉強しています
聞き返す・確認する(最重要)
- Sorry, could you say that again? — もう一度言ってもらえますか
- Could you speak a little more slowly? — もう少しゆっくりお願いします
- What do you mean by that? — それはどういう意味ですか
- So you're saying that...? — つまり〜ということですか
- How do you say ◯◯ in English? — ◯◯は英語で何と言いますか
この聞き返しの表現を最初に覚えてください。(聞き取れない原因そのものは発音の記事で扱っています)会話が止まる原因の多くは「分からなかったけど聞き返せなかった」ことです。聞き返せれば会話は続きます。
買い物・レストラン
- I'm just looking, thanks. — 見ているだけです
- Do you have this in a smaller size? — これの小さいサイズはありますか
- Could I have the check, please? — お会計をお願いします
- I'll have the same. — 同じものをお願いします
時間を稼ぐ
- Let me think for a second. — ちょっと考えさせてください
- That's a good question. — いい質問ですね
- Well, how can I put it... — えーと、どう言えばいいかな
沈黙が続くと相手も気まずくなります。考えていることを声に出すだけで、会話は途切れません。
和製英語に注意する
カタカナで定着している言葉の中には、英語では通じないものがあります。
| 和製英語 | 正しい英語 |
|---|---|
| コンセント | outlet / socket |
| ノートパソコン | laptop |
| クレーム(苦情) | complaint(claim は「主張する」) |
| マンション | apartment / condo(mansion は大邸宅) |
| サラリーマン | office worker |
| アルバイト | part-time job |
| ホッチキス | stapler |
| ペットボトル | plastic bottle |
| フリーサイズ | one size fits all |
| ガソリンスタンド | gas station |
とくに claim は要注意です。ビジネスで「クレームを受けた」のつもりで claim を使うと、意味が変わってしまいます。
英語のビジネスメールは型で書く
会話と違って、メールは型に当てはめるだけで成立します。悩む必要がありません。
| 構成 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 宛名 | Dear + 名前 | Dear Mr. Smith, |
| 書き出し | 用件を1文で | I am writing to ask about the delivery schedule. |
| 本文 | 詳細を短く。1段落1トピック | — |
| 依頼 | 丁寧な形で | Could you please send us the updated invoice? |
| 締め | 定型 | I look forward to hearing from you. |
| 署名 | Best regards, + 名前 | Best regards, |
日本語のメールのように前置きは書きません。1行目で用件を言うのが基本です。「お世話になっております」に当たる表現を探す必要はありません。
緊張して話せないとき
頭が真っ白になるのは、能力ではなく負荷のかかり方の問題です。「間違えたらどうしよう」と考えると、文を組み立てるための処理能力がそちらに取られます。
事前にできること
- 自己紹介を用意しておく。ほぼ必ず聞かれるので、30秒ぶんを口に出せるようにしておく。ここがスムーズだと、その後の緊張が下がります
- 聞き返す表現を先に覚える。「分からなかったら聞き返せばいい」と分かっているだけで、恐怖がかなり減ります
- 完璧な文をあきらめる。目標は「伝わること」であって「正しいこと」ではありません
その場でできること
- 短い文で話す。長い文を作ろうとするから詰まります
- 時間を稼ぐ表現を使う。沈黙するより「Let me think...」と言うほうが自然です
- 分からないと言う。I'm not sure how to say this in English. は立派な発言です
相手は、あなたの文法をチェックしていません。言いたいことを知りたいだけです。
話す練習をどこでするか
| 方法 | 向いている点 | 注意点 |
|---|---|---|
| オンライン英会話 | 実際に人と話す。安価で毎日できる | 受けっぱなしだと伸びない。予習・復習とセットで |
| ひとりごと英語 | 無料。いつでもできる | 間違いを直してくれる人がいない |
| 音読・シャドーイング | 口が動くようになる | そのままでは会話にならない。実戦と併用する |
| 言語交換アプリ | 無料で実際の会話 | 相手を選ぶ手間がかかる |
オンライン英会話を使うなら、受ける前に話す内容を決めておくのが最大のコツです(インプットとの組み合わせ方)。「今日はこの表現を3回使う」と決めておくと、25分が練習になります。決めずに受けると、毎回同じ自己紹介で終わります。
そして受けたあとに、言えなかった表現を1つだけ調べて書き留める。これを続けると、レッスンが単なる会話から練習に変わります。
まとめ
- 羅列から抜けるには主語+動詞をセットにして、短い文を並べる(文の骨組みの復習)
- 単語が出ないときは知っている言葉で言い換える。これは練習できる
- 難しい語より基本動詞をコアイメージで使い回す
- 聞き返す表現を最初に覚える。会話が止まる原因の多くはここ
- 和製英語に注意。とくに claim(苦情ではない)と mansion(大邸宅)は意味が変わる
- メールは型に当てはめる。1行目で用件を言う
- 緊張対策は自己紹介の準備と完璧をあきらめること