
「英語で2020年のニュースを読み解きたい!」
2020年はいまだかつてないほど数多くのニュースがありました。目まぐるしく情報が矢継ぎ早に出てきた年であり、またその多くが残念ながらネガティブなものであったと思います。
今回の記事では、TIME誌が毎年末に刊行しているPerson of the Yearをもとに2020年のニュースを読み解きたいと思います。
コンテンツ
1.Person of the Yearって?
その年に最も影響を与えた人物がフィーチャー
TIME誌の存在は皆さんも御存知かと思いますが、毎年12月末に刊行しているパーソン・オブ・ザ・イヤー(Person of the Year)はそこまで知られていません。
その年の「良い・悪いに関わらず、その年の情勢に最も影響を与えた」とされる人物がフィーチャーされ、表紙に掲載されます。ちなみに去年はグレタ・トゥーンベリさんでした。

余談:過去にあった田代祭
過去にこのPerson of the Yearで、田代祭という騒動が起こったことがあります。
2001年12月に田代まさしが逮捕され、メディアでクローズアップされたのをきっかけに2ちゃんねる上で、その年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」にMasashi Tashiroを1位にしようと、田代砲と呼ばれるスクリプトなどを使って大量投票が行われるというムーブメントが起こりました。
2ちゃんねらーの努力が実り、「Masashi Tashiro」は1位となりましたが、案の定、明らかな不正投票とみなされ、別の人物が最終的に選出されました。こういったこともあり、現在ではTIME誌の編集部より選ばれるシステムとなっています。
2.Person of the Yearを読み解く
Joe Biden&Kamala Harris

2020年のPerson of the Yearは、次期大統領のジョー・バイデンと副大統領のカマラ・ハリスでした。カマラ・ハリスは初の女性副大統領、最初のアフリカ系、アジア系の副大統領となります。
ちなみに次点では、
- ドナルド・トランプ
- アンソニー・ファウチおよび前線の医療労働者
- ジョージ・フロイド抗議運動
が候補に上がっていたようです。
Behind the Scenes – 選出の背景について

最初のページで、今回の選出の背景が書かれています。今年はオンライン会議によって選出が行われ、(途中でペットや子供も登場しながら)協議して決めたとのことです。

文章の最後は以下のように締めくくられています。
今年は今までになく選出が難しかった。不確実な未来を予測するのは愚かかもしれないが、2020年が歴史上で決定的なターニング・ポイントになることは言うに憚れない。ジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏は、アメリカの世界における役割と国の未来の運命を担っている。
Behind the Scenes – TIME
その他の表彰者について

ガーディアン・オブ・ザ・イヤーとして最前線で働く医療従事者が、エンターテイナー・オブ・ザ・イヤーとしてBTSが表彰されていました。YouTubeで動画がアップされているので、チェックしてみてください。
3.2020年に起きた出来事を読み解く
年末ならでは魅力的なコンテンツが豊富
他にも2020年を総括する内容が豊富にまとめられており、情報整理にかなり役に立ちます。また比較的平易な文章も多いので、辞書を片手に読み解いてみるとリーディング力も大幅にアップすると思います。

去年のPerson of the Yearにも選出されたグレタ・トゥーンベリのサマリーと、2020年に刊行されたTIME誌の表紙の一覧が載っています。注釈もたくさん入っているので面白いです。
First & Lasts – 終わりと始まり

これは2020年に初めて、もしくは最後に起こった出来事の年表です。パラサイトの監督が非英語圏として初めてオスカーを受賞したことや、ファイザーがワクチンの承認を得た日などが書かれています。

こちらは流行した言葉の一覧です。特にKarenはSNSなどでよく目にしました。掲載されているものから、いくつかその意味とともにピックアップして紹介します。
- BIPOC
- “Black, Indigenous and People of Color”(黒人、先住民、有色人種)のこと。
- covidiot
- 利己的に行動して日用品の買い占めをしたり、パーティーを行なったりしてコロナ禍で必要な意識が欠如してしまっている人。
- on mute
- Zoomなどのビデオチャットで相手の声がミュートで聴こえないときに使う。
- Karen
- 自己中心的で他人に迷惑をかけるような特定の白人女性を揶揄するスラング。
- Doomscrolling
- 悪いニュースやネガティブな出来事ばかりをネットサーフィンしてしまうこと。
- Simp
- おバカな人のことを表す ”simpleton” の短縮語。特にTikTokやInstagramなどの女の子に盲目的に追いかける、オタサーの姫の取り巻きのような人。
- 参考:Simpってどういう意味?Okie BOOMERガールneekoのファンたちの天国と地獄
- ちなみに使われている音楽は、senzawa(=サメちゃん)の曲
- おバカな人のことを表す ”simpleton” の短縮語。特にTikTokやInstagramなどの女の子に盲目的に追いかける、オタサーの姫の取り巻きのような人。
最後のSimpの元ネタ動画が面白かったので、貼り付けておきます。ちなみにKEKWは、lolの派生系で『草(=笑、w)』のような意味。
この動画内で使われている曲が、senzawaちゃんのoki doki boomer(=年配者をディスるスラング)です。
2018年は、Cuck(=パートナーを寝取られた男)というスラングが、2019年は、incel(=非モテ独身男)が話題になっていました。いずれも恋愛関係を嘲笑するインターネット・ミームなので、日常生活ではあまり使わないことをおすすめします。
4.まとめ
2020年は間違いなくパンデミックが発生した年として、歴史に刻まれることでしょう。また、このときに最前線で活躍した医療従事者は今後も救世主として、語り継がれていくことを期待します。
本誌の最後にはPhotos of the yearが掲載され、歴史的な瞬間を切り取ったものが並んでいます。ぜひ皆さんも一度手にとって確かめてみてください。

TIMEとは関係ありませんが、Googleも毎年Year in Searchを投稿しているのでこちらも紹介しておきます。