
「英単語ぜんぜん覚えられない!どうやったら効率的に覚えられるの??」
暗記のためのツールやアプリは数多くありますが、アプリのなかでも圧倒的な支持を誇る人気アプリが『Anki』です。使い始めるまでにはいろいろと設定が必要になりますが、慣れてしまうとこれほど便利なアプリはありません。iOSバージョンは有料ですが、充分値段の価値はあります!
コンテンツ
1.Ankiってなに?
効率的な周期で繰り返し覚える
Ankiとは、Damien Elmes氏がプログラミング言語Pythonを用いて開発した、暗記を目的としたオープンソフトウェアです。その名の通り、日本語の「暗記」から名付けられており、フラッシュカードを自由にカスタマイズできる機能が豊富なことで知られています。
Ankiはいろいろなデバイスで利用することができ、共通のアカウントを利用することでクラウドで同期して学習することができます。
- Anki – PCアプリ (Windows・macOS・Linux)
- AnkiWeb – ウェブブラウザタイプ
- AnkiDroid Flashcards – Androidアプリ
- AnkiMobile Flashcards – iOS(iPhone, iPad)※有料
iOS版のみ有料ですが、他は無料で利用することができます。「なぜiOSだけ?しかもめちゃくちゃ高いじゃん。。。」と思うかもしれませんが、これには理由があります。
開発者と運営会社は、基本的にこのiOSでのダウンロード課金から活動資金を捻出しているためだそうです。おそらく、iOSの利用者が一番多く、効率的に収益化できるためでしょう。しかし、使いこなしさえできれば、3,060円分の価値は有り余るほどあるアプリです。
思い出すことへの負荷を強化し続ける
Ankiの最大のメリットは、3つの機能にあります。
- アクティブリコール(=想起学習法):Active Recall/Retrieval
- 反復・分散学習法(=ライトナーシステム):Spaced Repetition/Learning
- 忘却曲線理論:“Forgetting curve”
まず、アクティブリコール学習法とは、自分の記憶の中から記憶力を頼りに能動的に情報をピックアップして思い出す行為のことをいいます。教科書を読んだり、書き写すような受動的な学習法よりも遥かに記憶定着率が高いことが研究で証明されています。

次に反復学習法とは、前回に覚えた学習内容から、次の復習までの間隔を延ばしてゆくことにより、心理学の間隔効果を利用して効果をあげる技術で、記憶障害のリハビリにも活用されています。
Ankiでは、自動的に反復期間をあけてカードのスケジュールを管理してくれます。簡単に思い出すことのできたカードは、間隔が伸び、逆にわからない問題は短期間で再度出題される仕組みになっています。

最後に有名な忘却曲線です。時間が経過するにつれて、記憶は薄れていくという理論です。下の図のように6日後には、せっかく学習した内容をほぼ忘れてしまっています。しかし、緑の線のように繰り返し学習をすれば、曲線が緩やかになっていくため、適切なタイミングで繰り返し学習することが効果的とされています。

Ankiでは、一度正解した問題も繰り返し出題されるシステムです。実際に、Ankiをやり始めると、「この問題は昨日正解したのに、なぜまたすぐに出てくるんだ?」と思うかもしれませんが、時間が経過して徐々に忘れていくことを防ぐために繰り返し出題されています。
2.Ankiを早速インストールしてみよう!
App Store:AnkiMobile Flashcards
まずは、iOSバージョンの「AnkiMobile Flashcards」について説明します。先にPCやブラウザから始めてもOKですが、課金形式のiOSから始めることで安易にやめないように自分を追い込むことができます。
初期画面は、以下のように何も入っていない状態です。ログイン情報などはブラウザから作成するので、一旦iOS上での作業はここまでにしておきます。
AnkiWeb:ウェブブラウザ

さてAnkiのアカウントを作成する作業に入ります。上のページからサインアップをクリックしましょう。

メールアドレスとパスワードを入力すれば、ログイン完了です。iOSにも同じアドレスでログインしておきましょう。これでひとまず準備完了です。
3.Ankiはどうやって活用するの?
まずは既存デッキを試してみよう
Ankiには、有志のユーザが作成したデッキが公開されています。Get Shared Decksをクリックし、Englishと検索してみます。人気順におすすめのデッキがソートされているので気になったものをダウンロードしてみましょう。
4000 Essential English Words

例えば、このデッキは基本的な単語ばかりになりますが、画像も音声データも入っているので五感をフルに使って学習することができます。また、有料になりますが同じ作者が映画やフレンズなどのドラマのデッキを公開しているので、気になる人は購入してみてください。
English Grammar In Use Exercises

English Grammarは、英語学習者で有名な文法問題集ですがAnkiでも学べるようにデッキに有志が落とし込んでくれていたものになります。文法が苦手な人はこれだけで、参考書代が浮きますね。
SVL12000 Level 1〜12

SVL=Standard Vocabulary Listとは、「標準語彙水準」としてアルクが単語帳に利用しているレベル別リストです。厳選された1万2000語を基礎から上級へと12レベルに区分されているので、初級者から上級者まで万人におすすめできるデッキです。
TOEIC Vocab – English for Japanese – 日本人のための英語コース

画像と音声が付いているデッキです。単語のレベル自体はそこまで高くないですが、目と耳で覚えられる便利な内容になっています。基本的なTOEICの単語が入っているので、500~600点レベルの人におすすめです。
4.Ankiで自分だけの単語帳を作る
自分好みにカスタマイズしよう
僕は、まず単語帳のファイル名に数字を入れて見やすいようにしています。キクタンシリーズをよく使っているので、最初はキクタン600/800/990のデッキを作成しました。すべての単語を入力するとなると膨大な時間がかかるので、何周もしても覚えられなかった単語だけを入力することをおすすめします。
ちなみに緑の数字は今日の復習カードの枚数、青の数字は今日の新規学習カードの枚数を意味しています。サボったりするとこの数字がどんどん増えていくので注意しましょう。
また、AnkiはHTML/CSSの知識があれば自由にフォントや見た目をカスタマイズすることができます。こちらの記事では、カスタマイズのコードが共有されているので、参考にしてみてください。

上級者向けスクレイピング

Web上の辞書を自動でスクレイピングしてくれるアドオン機能です。少しコツやプログラミングの知識が必要なので、慣れてきたら使ってみてください。
情報収集用掲示板など

5ちゃんねるに専用スレがあるので、ここで最新情報などを収集することができます。
Github
Github上では有志の人たちが便利なチップをまとめており、利便性を格段に向上させることができます。

5.Ankiの評判
TwitterでのAnkiユーザの評判について
6.まとめ
Ankiは、単語学習が苦手な人も得意な人にもおすすめのアプリです。自由度が高いゆえに、最初は使い方がわからないと思いますが自分で調べていくうちに徐々に慣れていくので、諦めずに続けることをおすすめします!
