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1.『英単語の語源図鑑』とは?
100の語源で10,000語が身につく英単語集

今までの英単語集は、アルファベット順や出る順にまとめられてあるものがほとんどで皆さんも使っている単語帳はそのようなものが多いのではないかと思います。
この『英単語の語源図鑑』は今までの英単語集とは全く違うアプローチでまとめられた画期的な単語帳です。では、具体的に一体何が違うのでしょうか?
英単語の語源を学習して芋づる式に覚える
”最も効率的な英単語の覚え方は、語源学習によるものである”
著者は本の冒頭部分でこのように紹介しています。この本は、『語源』を学んで超効率的に英単語を覚える本です。
具体的には、「英単語を分解していき、それぞれの意味を理解する。」というのが語源学習法です。

このように単語を語源ごとに分解して、その語彙に合わせたイラストとともに紹介しているのがこの本の特徴です。
この学習方法は、一見時間がかかって、遠回りに思われる学習法に見えますが、語源の力によって1万語レベルの語彙が身につくことは、すでに語源研究によって実証されているそうです。
2.『英単語の語源図鑑』のメリット
イラスト付きで読みやすく、楽しい参考書
こないだジュンク堂書店の英語学習コーナーで何かいい参考書は無いかなと探していたところ、こちらの『英単語の語源図鑑』が平積みでイチオシ本として紹介されていました。早速購入してみたので、レポートしていきたいと思います。

僕が購入した時点では、すでに60万部突破と大ヒットしていました。2018年5月の第1刷から2019年4月には第18刷の重版出来を記録しているようです。

最初のページには著者がどのようにして語源学習法を編み出したかのきっかけが紹介されています。

このように可愛らしいイラストとともに語源が紹介されています。表紙で書かれているように、本書では100の語源から1万語を学ぶことができるので、英字新聞や雑誌を不自由なく読める程度のレベルまで引き上げることができます。
語源学習法は、パーツごとに分けて英単語を想起する

例えば、『attraction』という例をあげて説明してみましょう。
- 接頭辞:at-(〜の方へ)
- 語根:-tract(引く)
- 接尾辞:-ion
このようなパーツで構成されていて、それぞれの意味を組み合わせると、
attraction:引きつけるものという解釈ができます。
最終的には、引きつけるもの⇒魅力というふうに頭の中で紐付けて考えることで、単語の意味を思い出すことが容易になります。
語源で学ぶと他にもメリットがたくさん
例えば、下の画像のように接頭辞と語根を10個覚えたとします。

- 「vis」
- 「tain」
- 「it」
- 「ceive」
- 「port」
- 「vac」
- 「re」
- 「con」
- 「in」
- 「ex」
これだけで30語近くの単語を想起して覚えてくことができます。
たとえば、「survey」「inspect」はどちらも調べるという日本語訳ですが、元来の意味を知るためには語源を理解するのが一番です。
- survey:「上から(sur-)見る(-vey)」⇒見渡す
- inspect:「中を(in-)見る(-spect)」⇒(隅々まで)調べる
この本のもう一つの特徴はわかりやすいイラストが添えられていることです。

単純に語源だけをひたすら覚えていくのはなかなか地味な作業で途中で飽きてしまうことがあるかもしれませんが、覚えやすいようにイラスト付きで解説されているので、飽きずに語源学習を続けることができます。
3.語源学習法で特に覚えやすかった単語
advocate:〜を声援する

advocateはTOEICなどでも頻出の単語です。なかなか覚えにくい単語ですよね。でも分解してみると意外と簡単な語源で成り立っています。vocが声の「vocal」と紐付けて覚えていると、何か声を使っている単語だなと覚えておくことができます。確かに援護したり、主張するのには声が必要ですね。
substitute:下に立っている

これはイラストが面白かったので紹介します。substituteは代わりのものという意味であることはそこまで覚えにくいものではないですが、stituteは立つという意味であることは初めて知りました。ちなみに下の語源メモで書いてあるように、補欠選手をサブと呼んでいるのは、英語の「代理」「代用」を意味するsubからきているそうです。
indigenous:中で生まれた

indigenousはTOEIC800〜900点レベルの高難度単語です。僕もなかなか意味が思い出せなかったりします。しかし、語源学習法を取り入れると覚えやすさが段違いにあがりました。特にgenが生まれる、種であることを意識するとindi(中に)で生まれた種という覚え方ですぐに固有の、原産のという意味を思い出すことができます。
4.まとめ
この本で紹介している語源学習法は、英単語の語彙力を効率的に増やすことができる最強学習法です。
しかし、語源から連想するということはある程度の語彙力がないと効力を発揮できません。
語源学習法で効果を発揮してくるのは、TOEIC中級レベルあたりです。最初は、キクタンシリーズなどで、TOEICスコア600点前後まで伸ばしたあとにこの学習法を取り入れるとよいと思います。
続編も刊行されているので、この学習法が自分に合っていると思ったらぜひトライしてみるといいと思います。